前鋸筋。
スポーツをしている人でも、
耳にしたことがない人も
多いのではないでしょうか。
前鋸筋は、1〜9番の肋骨と
肩甲骨裏側の内縁をつなぐ、
文字通りのこぎり(鋸)状の筋肉です。
と言ってもわかりにくいので、図を見てみましょう。
さて、この前鋸筋、何をする
筋肉なのでしょうか?
前鋸筋はどういう働きがある?
前鋸筋が働くと、肩甲骨が背骨側から
前方(脇の下側)へ引き出されます。
また、肩甲骨を上方回旋させる、
つまり肩関節を上げる働きもあります。
肩甲骨の先には腕がついています。
従って前鋸筋には、
「腕を体の前や横に出す」
「腕を上げる」
という働きがあるのです。
腕を力強く前に繰り出すボクサーは、
前鋸筋がよく発達していることから、
「ボクサー筋」とも呼ばれます。
スポーツにおける、前鋸筋の2つの働き
前鋸筋には他にも2つ、スポーツをする上で
大事な働きがあります。
1つ目は、
「胴体の力を腕に伝える」
という働きです。
前鋸筋は、胴体というエンジンの力を、
肩甲骨を通して腕に伝える、
ギアの役割を果たすのです。
2つ目は、
「腕を狙ったところに正確に出す」
という働きです。
野球のピッチャー、テニス、ゴルフなど、
あらゆるスポーツで、正確な腕の動きが
必要とされるのは言うまでもありません。
「力」と「正確さ」。
前鋸筋は、あまり知られていませんが、
実はとても大事な筋肉なのです。
次回は、前鋸筋が使われていないと、
どうなるのか、お話します。