前鋸筋は、脇腹の肋骨と肩甲骨の裏をつなぐ、
意識して動かすことが難しい筋肉です。
しかし、この前鋸筋をうまく使うことで、
力強く、そして正確に、腕を使うことができます。
今日は、前鋸筋の
「腕を狙ったところに正確に出す」
という働きについてお話します。
正確に腕を出す
テニス、野球、ゴルフなど、道具を使って打つスポーツでは、
力さえ出ればいいというものではありません。
正確さが必要です。
前鋸筋を使うと、遠心力で道具を振り回すだけではなく、
「ある方向に正確に押す」
という動きが可能になります。
例えばテニスのフォアハンドでは、
ボールを横からはたくのではなく、
インパクトからさらに腕全体が前に進み、
押すような動きになります。
上のフェデラーのスローモーションでの
フォアハンドのインパクトを見ると、
「横からはたく」のではなく、
かなり身体の前で「押す」動きになっている
のがわかるかと重います。
それも、肘関節を伸ばす動きではなく、
肩から腕全体で押しています。
「腕を狙ったところに正確に出す」
ことができるからこそ、トッププロはラインギリギリにでも、
自信を持って打ち込んでいくことができるのです。
一般の人が前鋸筋の動きを意識するのは難しいので、
「脇の下から腕が引き出されてくる」
ように意識するだけでも、
腕がスムーズに出てくるでしょう。
参考:
・体の中心から手を伸ばす(1) 前鋸筋
前鋸筋と菱形筋の働きについて説明されています