前鋸筋は、脇腹の肋骨と肩甲骨の裏をつなぐ、
意識して動かすことが難しい筋肉です。
しかし、この前鋸筋をうまく使うことで、
力強く、そして正確に、腕を使うことができます。
今日は、その前鋸筋を働かせるコツをお話しします。
前鋸筋を動かすエクササイズ
まず、前鋸筋が動いていることを感じてみましょう。
仰向けに寝て、腕を「前へならえ」のように
前(寝ているので上)に突き出します。
このとき、肩が地面に付いているのを確認します。
この状態から、腕を5センチぐらい、
前(上)へ伸ばそうとしてみてください。
首は地面につけたままですが、
肩が地面から離れていきます。
このとき片方の手で、もう片方の脇の下の
あたりに触れてみると、
肋骨のあたりの筋肉に力が入るのが
感じられるのではないでしょうか。
これが、前鋸筋です。
前鋸筋を働かせるコツ
1. 脇の下を意識する
2. 親指を下に向ける
(=前腕を回内する=橈骨を入れる)
1. 最初は難しいでしょうから、
左手で右の脇の下を触って(逆でも可)、
前鋸筋や肩甲骨の動きを確認すると良いでしょう。
肩甲骨が動いていれば、前鋸筋も動いていると
考えてOKです。
2. 例えば、机の上のものを取るとします。
このとき、何も考えずに腕を伸ばすのではなく、
親指を下にしてから腕を伸ばしてみます。
すると、腕を伸ばした方に頭が動きにくくなり、
体の軸を保ったまま、腕を伸ばせるのでは
ないでしょうか?
これは、以前紹介した「橈骨を入れる」という
腕の使い方のコツにもつながっています。
(腕を力まずスムーズに操るコツ(1) 橈骨を意識する)
前鋸筋には、
「力が入っている!」
という感触は、あまりありません。
ですが、これまで説明してきたように、
腕を扱う上で、とても重要な筋肉なのです。
スポーツをする際に、
腕ではなく脇の下を意識してみる、
それだけでも、ある程度の効果を
得ることができるでしょう。
試してみてください。
Fujimoto