人間の目は、頭の前側についているため、
何かをよく見ようとすると、
つい頭が前に出てしまいます。
特に日本人は、頭が前に出て背中が丸まり、
猫背になってしまいがちです。
日本人はノコギリを引いて切りますが、
外国人はノコギリを押して切ります。
こういった身体の使い方の違いは、
文化的なものなのでしょう。
頭が前に出てしまうと…?
頭が前に出るということは、約5kgもある重り(頭)が
前に移動するということです。
そして、その重い頭を支えるのは、細い首。
首の筋肉に「凝るな」という方が無理というものです。
その首は、肩や背中につながっています。
頭が前に出ると、猫背になり、骨盤も後ろに傾き、
肩凝り、背中や腰の張りをも引き起こします。
また、頭が前に出た状態で立つと、
重心が前に移動していますから、
太腿の前側に力が入ってしまいます。
この状態では、不要に筋肉が緊張していて、
既に体勢が崩れてしまっています。
ですから、背中や太腿の後ろなど、
身体の後ろ側の筋肉を使うことは
難しくなってしまうのです。
頭の位置一つでも、身体全身に影響が出るのですね。
世界のトップの選手を見てみると、
スッと姿勢が立っています。
フェデラーや錦織のスイングを見ても、
首と頭が前に出ていることは、まずありません。
身体に軸が立っていることで、
全身の力を使うことが可能となるのです。
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まとめます。
頭が前に出ると、
・背中が丸くなり、骨盤が後ろに傾く
・つまり体勢が崩れている
・大きな背中の筋肉を含めた、全身の力が使いにくい
日常生活の中でも、自分の姿勢に気をつけてみましょう。
特に、座っているときに注意です。
頭が前に出ていると気づいたら、
顎を引き、頭の位置に気をつけましょう。
その際、猫背になっていないか注意です。
いくら顎を引いても、土台の骨盤や背骨が曲がっていては、
バランスは取れません。
以前のコラムの「体の軸のつくり方」の話も
参考にしてみてください。
次回は、太ももの後ろ側を使うということについてお話します。