太腿には、前側、後ろ側、内側、外側と
様々な筋肉がついています。
太腿の後ろ側の筋肉を、ハムストリングスといいます。
外側にあるのが大腿二頭筋(だいたいにとうきん)。
内側にあるのが半腱様筋(はんけんようきん)、
半膜様筋(はんまくようきん)といいます。
これらの総称が「ハムストリングス」です。
後ろ側がアクセル、前がブレーキ
ハムストリングスは、脚を後ろに振り出す筋肉です。
歩く、走るなど、前に進むときに働きます。
つまり、アクセルのような働きです。
たくさん走った次の日に、
太腿の後ろ側に張りが出るのは、
このハムストリングスが働いたからです。
一方、太腿の前面の筋肉(大腿四頭筋)は、
身体が前に出るのを止める、ブレーキの働きがあります。
走っていて、急にストップするときは、
膝のあたりに力を入れて踏ん張ります。
このときに使っているのが、大腿四頭筋です。
車の運転であれば、前に進むときにブレーキは踏みません。
しかし身体に関して言えば、
ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいる、
そんな状態がしばしばあるようです。
太腿の筋肉の付き方
太腿の前側は、不要なときには働かず、なるべく弛んでいる、
そういった身体の使い方が望ましいです。
まずは、立った状態で、自分の太腿の前側を触ってみてください。
力が入って固くなっていますか?それとも柔らかいままですか?
もし力が入っている場合は、爪先に前に体重がかかっていませんか?
体重のかかる位置を確認しながら、
力が入らない立ち方を探してみてください。
自分の太腿を触って、
前と後ろの筋肉の付き方を見てみましょう。
どちらが多いでしょうか?
後ろが6、前が4ぐらいで、後ろが多いのが理想です。
前からだと細く見える太ももが、
椅子に座ると後ろ側の筋肉が横に広がり、太く見える。
運動をする身体としては、これが理想です。
例えばイチローの腿は、一見スリムに見えるのに、
椅子に座るとかなり太く見えます。
これは、後ろ側のハムストリングスが発達しているからでしょう。
太腿の後ろ側を使うには?
太腿の、前側ではなく後ろ側を使うには、
どうしたらよいのでしょうか?
これもやはり、頭の位置が重要です。
頭が前に出ると、重心も前に寄りますから、
太腿の前の筋肉が働きます。
立っているときだけではなく、
歩くとき、階段を上るときなど、
頭から前に動き始めてしまうと、
体重が腿の前側にかかります。
それでは、正しい頭の位置とはどのあたりでしょうか?
耳の位置が肩の真上にあるのが、正しい頭の位置です。
それよりも耳の位置が前にあるようなら、頭が前に出すぎです。
(上の図はロルフィングで使われている画像です)
頭からではなく、腰から動き出すイメージにすることで、
体重が前にかかりすぎることを抑えることができます。
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まとめます。
- 太腿は、後ろ側の筋肉がアクセル、前側の筋肉はブレーキ
- 太腿の前側はなるべく使わない
- 太腿の筋肉は、前側よりも後ろ側が多いのが理想
- 頭の位置が前に出ると、太腿の前側を使ってしまう
- 太腿の後ろ側を使うには、頭からではなく腰から動く
立つ、歩くなど、日常生活の中で
何度も何度も繰り返す動きです。
一日のうち数回ずつでも構いませんので、
意識してみてください。
次回は、テニスなどのスイングにおいて、
身体の後ろ側をどう使うかについてお話します。
「コラム」のコーナーでは、
・生活の中で、身体を楽に使えるようになりたい
・回復力を高めたい
というような方のヒントになるような、
身体や健康についての知識を情報発信しています。
よければ、参考にしてみてください。
参考:
・ハムストリングス 肉体改造研究所(筋トレ&ダイエット)
・大腿二頭筋(だいたいにとうきん)-筋肉.guide
・半腱様筋(はんけんようきん)-筋肉.guide
・半膜様筋(はんまくようきん)-筋肉.guide