立つときに、身体の重さは足裏にかかります。
身体の構造を考えると、体重は内外のくるぶしを
結んだラインに乗るのが自然です。
というのが、前回のお話でした。
それでは、足裏にかかる体重が、
くるぶしの位置からズレてしまうと
どうなるのでしょうか?
くるぶしの位置よりも後ろにずれことは
少ないと思いますので、ここでは
体重がかかる位置が、くるぶしよりも
前にずれるケースを考えてみます。
ふくらはぎが固まる
脛の骨を通ってかかる体重が、
くるぶしよりもつま先側にかかると、
身体が前に倒れようとしますから、
常に倒れないように踏ん張らなくてはなりません。
そこで、常に足裏やふくらはぎの筋肉を使って、
地面を押し返すことになります。
すると、足裏やふくらはぎには疲労がたまり、
こり固まってしまいます。
ふくらはぎの筋肉は、足に下がった血液を
心臓に戻す、ポンプの役割があります。
ふくらはぎがこり固ってしまうのは、
健康を考える上では、できるだけ避けたいものです。
太腿の前側(ブレーキ)に力がかかる
体重が前にかかると、膝も前に出ますから、
太腿の前側の筋肉(大腿四頭筋)に力がかかります。
太腿の前の筋肉はブレーキの役割ですから、
瞬発力が発揮しにくくなります。
(関連:【コラム】身体の後ろ側を使う(3)太腿の後ろを使う(ハムストリングス))
ですから、スポーツなどをする上でも、
なるべく太腿の前側に力が入らない姿勢、
つまり体重があまりつま先側にかからないような
バランスが望ましいのです。
背中が丸まる/頭が前に出る/腰が反る
また、バランスを取るために、
「膝が曲がり、お尻が後ろに落ち、
背中は丸まり、頭が前に出る」
という猫背の形、あるいは
「腰が前に出て、腰や背中が反る」
という反り腰の形になり、いずれも姿勢が崩れます。
どちらも、不要に筋肉を緊張させますから、
身体に余計な負担がかかります。
まとめます。
- 足裏に体重がかかるのは、くるぶしを結んだライン上
- そこよりも前に体重がかかると、姿勢が崩れる
- 足裏、ふくらはぎ、太腿前面などがこりやすくなる
体重をかける位置一つで、
様々な悪影響があるようです。
一方で、体重をかける位置など、
あまり気にも留めていないものです。
こういったところに、上達のヒントが
潜んでいるのではないでしょうか。
次回は、姿勢良く立つためのコツについて
お話します。