前回は、身体への負担が少ない身体の使い方として、
「膝への負担が少ない足と膝の使い方」
についてお話しました。
- 足の親指側ばかりでなく小指側も使う
- 足先の向きと膝の向きを揃える
- 「足先の向き」とは「踵から小指/薬指へのライン」
というのが、その内容でした。
今回は、「足」ではなく「腕」、特に
「肩や肘への負担が少ない腕の使い方」
についてお話します。
テニスや野球など、多くのスポーツで
肩や肘を故障してしまう場合があります。
どうすれば、肩や肘への負担を
小さくできるのでしょうか?
手先に余分な力を入れない
以前、手をグーにして腕をグルグル回した場合と、
パーにしてグルグル回す場合の違いを比べる、
という実験についてお話ししました。
→【コラム】手足が大事!(1)手足が大事である3つの理由
手先に力が入っているということは、
腕全体に余計な力が入るということです。
腕をリラックスさせるには、まずは手先からです。
例えば、テニスなど、道具を持つスポーツでは、
ついグリップを握りしめてしまいがちです。
しかし、グリップはなるべく握らず、ゆるゆるにします。
野球でボールを投げるときも、ボールをギュッと握らず、
落ちないようにつまんでいる、というぐらいが理想です。
テニスのグリップについて動画でも説明していますので、
参考にしてみてください。
いち早く、手を肩より上に持っていく
身体の構造上、
手首から先が肩より上にあれば、
腕を自由に動かすことができます。
逆に、手首から先が肩より下にあるうちに、
腕を無理に動かそうとしてしまうと、
肘や肩に負担がかかってしまいます。
ですから、
いち早く、手首から先を肩より上に持っていくことが、
肩や肘の負担を減らすことにつながります。
逆に、このルールを知らないために、
肘や肩を痛めてしまうケースが
多々見受けられるのは残念なことです。
肩から下では親指。肩から上では小指。
手先が肩より下にあるときは、親指を意識します。
逆に、
手先が肩より上にあるときは、小指を意識します。
これがもうひとつの基本的なルールです。
(もちろん例外もあります)
従って、腕を上げるときには、
親指を意識して上げていくとよいです。
筋力がない子どもは、手が上がりきらないうちに、
投げたり打ったりしたくなってしまいます。
そこをきちんと正してあげるのは、指導者の役割です。
指導する立場にある方は、ぜひ見てあげてください。
*****
まとめます。
肩や肘への負担を小さくするには、
腕の使い方のルールがあります。
- 手先に余分な力を入れない
- いち早く手を肩より上に持っていく
- 肩から下では親指、肩から上では小指
腕の使い方について以前のコラムでも触れていますので、
参考にしてみてください。
→【コラム】腕を力まずスムーズに操るコツ(1)