胸鎖乳突筋は、首の側部にある筋肉です。
この筋肉の不思議なところは、
心とのつながりがあるところです。
精神的に落ち込んでいるときなどには、
この胸鎖乳突筋も異常に緊張している場合が
あることが知られています。
なぜでしょうか?
胸鎖乳突筋と自律神経
胸鎖乳突筋は、脳神経の一つである「迷走神経」と
強いつながりがあります。(*1)
「迷走神経」は、胃や腸など、
多くの内蔵の働きを司るものです。
また、リラックスしたときに働く
自律神経(*2)(副交感神経)でもあります。
(→迷走神経 – Wikipedia)
まずは、
「胸鎖乳突筋は精神のバランスを保つ
自律神経との関係が深い」
と考えてください。
胸鎖乳突筋が異常緊張してしまうと…?
胸鎖乳突筋は、デスクワークが多い現代人は、
特に負担をかけやすい筋肉です。
首が前に出た状態のままで長時間作業をすると、
5kgもある頭を支えるために、
首の筋肉はずっと緊張したままになります。
この胸鎖乳突筋の異常緊張が続くと、
何が起きるのでしょうか?
胸鎖乳突筋の異常緊張は、
自律神経である迷走神経にも影響を及ぼします。
この結果、胃炎や胃酸過多、下痢や便秘、耳鳴り、頭痛など、
自律神経失調症などで見られるような症状を伴う
ことがあります。
また、胸鎖乳突筋は顎の側面を通ることから、
顎関節症にも関係することがあるようです。
→不思議なり!胸鎖乳突筋: 整体師のひとりごと
→不思議なり!胸鎖乳突筋 その後: 整体師のひとりごと
このように、胸鎖乳突筋の異常緊張は、
自律神経のバランスにも影響を及ぼすのです。
胸鎖乳突筋をゆるめるには?
胸鎖乳突筋は、細い首にある繊細な筋肉ですから、
グイグイと押すような、刺激の強い処置は良くありません。
ですので、処置が難しい筋肉でもあります。
前回お話しましたように、
胸鎖乳突筋を直接刺激するよりも、
周辺部からアプローチする方が安心です。
→胸鎖乳突筋のゆるめ方(1)まずは周りから
また、首を前後、左右、回転など、
ゆっくりと動かすだけでも効果があります。
ただ、力をこめて動かすのではなく、
あくまでゆっくりと、軽く、動かしてください。
まとめます。
・胸鎖乳突筋を支配する副神経は、自律神経との関係が深い
・胸鎖乳突筋の異常緊張は、自律神経失調症のような症状を伴うことがある
・胸鎖乳突筋をほぐすには、直接刺激するよりも周りからアプローチする
首は多くの神経が通っているため、
身体の中でも特に繊細な部分です。
痛みなどの異常を感じた場合は、
すぐに医師の診察を受けてください。
「コラム」のコーナーには、座り方や姿勢など、
生活の中での健康についても書いています。
健康についてのヒントが欲しい方は、
チェックしてみてくださいね。
*1 胸鎖乳突筋を支配する神経系は、正確には「副神経」です。
この副神経は、迷走神経と深いつながりがあります。
*2 自律神経には、緊張するときに働く交感神経と、
リラックスしたときに働く副交感神経があります。
参考:
・不思議なり!胸鎖乳突筋: 整体師のひとりごと
・不思議なり!胸鎖乳突筋 その後: 整体師のひとりごと
・光るナス:胸鎖乳突筋、キンキン、