呼吸は、生命維持に必要な活動の中で、
唯一意思でコントロールできるものです。
(心臓の鼓動はガマンして止めたりできません)
皆さんも経験していることかと思いますが、
呼吸は精神状態にも影響を与えます。
呼吸についての知識があれば、
人生の様々な場面で役立てることができるでしょう。
呼吸は心を映す
呼吸は心の状態を映し出します。
落ち着いているときは、
ゆっくりとした深い呼吸。
不安や緊張を感じているときは、
早く浅い呼吸になります。
そしてとても大事なことは、
「心の状態→呼吸」
という方向だけでなく、
「呼吸→心の状態」
という方向にも、コントロールが可能だということです。
ヨガや整体などでも呼吸を重視しますし、
緊張しているときの深呼吸なども、
「呼吸によって心の状態をコントロールする」
という知恵でしょう。
理想は「揺れない心」をつくることかもしれません。
しかし悟りを開いた聖人でもなければ、
心は揺れ動くのは仕方がないことです。
その「揺れ動く心を、少しでも静める方法」を
身につけることができれば、
日常生活やスポーツなど、
様々な場面で役に立つことでしょう。
呼吸で心を静める
以前のコラムでも書きました通り、
「呼吸」は「呼」、つまり吐くことが先です。
人間苦しくなったら自然に吸いますから、
吸うことは特に意識しなくても大丈夫なのです。
呼吸が浅くなるときは、
吐くことが十分にできなくなっているときです。
従って、ゆっくりと、しっかり息を吐くことを
意識するようにしましょう。
齋藤孝氏の「呼吸入門」では、
3秒で吸い、2秒止め、15秒吐く、という呼吸法が
紹介されています。
15秒吐き続けるのが難しければ、10秒でもOKです。
これぐらいのバランスで、ゆっくりと息を吐いてみます。
息を吐くと、身体も心も、静まります。
「呼吸が浅くなっているな」と感じたら、
「ゆっくりと吐く」ことを意識してみましょう。
呼吸で心を奮い立たせる
スポーツの試合前など、あまりリラックスしすぎても
いけない場面もあります。
そういった場面では、逆に呼吸を早くしてみるのも
一つの方法です。
呼吸速くすることで、交感神経を刺激し、
心と身体のエンジンをかけることができます。
同じ理屈で、ウエイトトレーニングの際にも、
重りをあげる前に速く呼吸を行うことがあります。
(ハイパーベンチレーション)
まとめます。
- 呼吸は心の状態を映す
- 呼吸によって、心に働きかけることができる
- 心を静めるには、呼く息をゆっくりと長くする
- 心を奮い立たせるには、呼吸を速くする
自分の呼吸の深さはどうでしょうか?
まずは、自分の呼吸を意識してみるところから、
始めてみましょう。